経鼻胃内視鏡検査は、咽頭反射の強い方には、是非お勧めです。従来の経口内視鏡の半分ほどの太さです。
経鼻内視鏡というものががある旨を説明すると『怖い』とおっしゃる方がほとんどです。確かに、鼻の穴に、通常の太さの内視鏡を入れられることを考えたら、それは、それは、恐ろしいですよね。決してそのような太い内視鏡を使うわけでは無く、直径5mmほど少し太めい綿棒と同じぐらいの専用内視鏡を使用しています。太さは、通常の内視鏡の半分ほどですが、小型化しても技術の進歩で、画質も遜色なく、検査の精度に問題はありません。
鼻の、大切な役割は、軟骨の張り出した鼻甲介とその表面を覆う血管の豊富な粘膜で外気を暖め、適度の湿り気を与えることです。常に、この粘膜は、腫れたり元に戻ったりして働いています。距離にして、3-4cmの鼻甲介の部分をいかにスムーズに通り抜けるかが、経鼻内視鏡のポイントです。そのためにプリビナという、血管を収縮ささせる薬で鼻粘膜の腫れを抑え、キシロカインで麻酔をします。鼻を抜けて、咽頭に向かう際、経口内視鏡に比べて、まっすぐに咽頭にスムーズに入っていくことができるので、嘔吐反射は、ほとんど起こしません。時として、私もそうですが、経口内視鏡が口元に近づいてきただけで、オエ~となってしまう方を、お見かけします。そのようかたには、是非一度、経鼻胃内視鏡検査をおすすめします。

7月11日(金)午前・午後 織畑剛太郎、伊藤真由子
日本乳癌学会学術総会発表のため午前・午後休診とさせていただきます。ご不便をおかけしますが、どうぞ宜しくお願いいたします。

平成25年度 順天堂大学と関連病院での乳がん総手術件数は、1090件でした。
順天堂医院
順天堂大学練馬病院
順天堂大学静岡病院
越谷市立病院
東京臨海病院
東部地域病院
済生会川口総合病院
王子病院

新連載 がんとボクと先生と
(1)ひどい便秘から始まった
●福原正美(言語学講師)/織畑剛太郎(王子病院外科部長)
標榜科(ひょうぼうか)とは、医療機関で看板などを掲示して外部に広告できる診療科名のことです。『乳腺外科』の診療科名、探してみると、なかなか身近なところに、ないものです。以前より、外科や、産婦人科といった標榜科名は、認められていましたが、『乳腺』を病院や診療所の看板に表示することは、禁止されていました。今となっては、驚きですね。受診するかたの利便性や医療の多様化をふまえ、医療機関の標榜診療科名が見直され、2008年4月1日より、ようやく『乳腺外科』の標榜が可能となりました。これからは、乳腺の悩みは、『乳腺外科』を受診しましょう。臓器や疾患と外科もしくは内科を組み合わせるのが基本です。『乳腺クリニック』は、どうなのかと思いましたが、すでにこちらも一般的な名称として使われていますね。
不合理な組み合わせの診療科名、高齢者小児科、男性産婦人科、乳腺眼科も認められないとのことです。こんな診療科目での申請があったのでしょうか?
大学病院で、臓器別の診療科目、たとえば循環器内科ですとか消化器内科といった、今となっては聞き慣れた、担当疾患のわかりやすい臓器別臨床教室名を採用したのは、大学病院では、順天堂大学が先駆けとのことです。まさに、受診する患者さんのことを第一と考える順天堂ならではのエピソードですね。外科系の診療科目は、しばらくの間、再編を繰り返し、第一外科、第二外科といった診療科名でしたが、食道・胃外科、大腸・肛門外科、肝・胆・膵外科、乳腺・一般外科の4つの臓器別に再編されたのは、2002年のことでありました。
