職場で乳がん検診を受診する機会があるのですが、北区乳がん健診を受けても良いのでしょうか?

毎年、職場の検診で乳腺エコー検査を受けていますが、北区の乳がん健診を受けても良いかどうかといったお問い合わせを頂く事があります。職場の検診で、マンモグラフィ検診を受診して、問題無いのであれば、さらに北区の乳がん健診を受診する必要は、ありません。40歳以上で、職場の検診で、乳腺エコーしか受診されていない場合は、北区のマンモグラフィ検診受診をお勧め致します。

2016年3月1日

がん検診結果 アミノインデックス がんリスクスクリーニング

アミノインデックス がんリスクスクリーニング検査とは、たった5mlの血液検査で胃がん・肺がん・大腸がん・前立腺がん・乳がん・子宮がんまたは卵巣がんリスクがわかる検査だそうです。乳腺外来にもこの検診結果をお持ちになるかたを、お見かけします。検査結果は、ランクA,B,Cに分類されランクCと判定された場合、それぞれのがんに対する精密検査が必要になるとのことです。残念ながら、がんがあるかどうかといったこと確定するものでは、ないとのことです。

乳がんが、あるのか、ないのかに関しては、マンモグラフィと乳腺エコー検査の二つの検査が、今日でも、基本的な検査となります。

2015年1月7日

乳がん検診結果  ボルパラ(Volpara)判定

ボルパラ(Volpara)判定

マンモグラフィ検査において、以前から乳腺濃度(レントゲンの通過しずらさ)は、脂肪性、乳腺散在、不均一高濃度、高濃度と4分類されており、乳腺濃度の髙い高濃度乳腺は、石灰化や腫瘤のカゲが正常乳腺に隠れてしまって描出されづらく、マンモグラフィ検査が苦手とする乳腺とされています。

ボルパラ(Volpara)判定とは、この乳腺濃度をデジタル画像から、客観的に数値化して判定する方法です。この判定で、高濃度の乳腺と判断されたからといって、決して乳がんになりやすいと心配される必要はありませんが、この高濃度の乳腺の場合、マンモグラフィのみでなく、乳腺超音波検査を組み合わせることにより乳がんの見逃しを防ぐことが検討されています。

2015年1月7日

乳腺の手術予定です。セカンドオピニオンの予約方法を教えて下さい。

良性腫瘍にしても、悪性腫瘍にしても 『手術』 予定となると不安なことが多々生じてくることと思われます。マンモグラフィ、乳腺エコーなどの資料をお持ちいただければ、より具体的にセカンドオピニオンの呈示ができますが、事情により画像の準備が難しい場合でも、お話しをお伺いすることはできますので、外来でご相談下さい。患者さんご本人が来院された場合は、保険診療の対象となります。セカンドオピニオンの予約は、通常の診療同様にお電話で予約をお願いいたします。

2014年12月20日

乳がん検診で早期発見 乳がんの発育速度

乳がんは、その発育速度で、ゆっくりゆっくり成長するタイプと、とても成長の早いタイプの2種類のがんにわけられます。多くの、ゆっくりと成長するタイプの乳がんは、1個の細胞から、1cmまで成長するのに約10年かかると言われています。この10年の間に、4-5回、乳がん検診を受けていただくことにより、なんとか乳がんを早期発見したいものです。現在、1年おきにマンモグラフィによる乳がん検診が推奨されていますが、1年前なら覚えているけれど、2年以上前の記憶って曖昧ですよね。偶数年齢での乳がん検診受診を推奨としていた自治体もあったようですが、困ったことに、5歳刻みの乳がん検診無料クーポン券が配布されたために、多少、検診間隔に混乱を招いてしまっております。忙しかったり、職場の異動だったり、几帳面な方でも、現実的には、検診間隔が、おおむね4-5年ごとになってしまっており、残念ながら、早期とは言い難い状態で診断されているのが現状です。早期発見のために、是非、1年おきに乳がん検診を受けていきましょう。

残念ながら、もう一方の成長の早いタイプは、とても短期間で、倍の大きさに成長し、リンパ管や血管にはいりこみ、リンパ節へ、そして肺、肝臓へと転移してしまいます。このタイプの乳がんは、1年おきの乳がん検診だけでは救命が難しいがんと言えます。定期的に乳がん検診を受けていても、もし、しこりや、違和感があった場合には、早めに乳腺外来を受診しましょう。

2014年9月4日

乳腺外来で、良性のしこりで、経過観察しましょうと言われました。

職場の検診で、乳腺超音波検査を受けていただくと、様々な良性疾患が見つかります。嚢胞、線維腺腫、乳管内乳頭腫…乳腺超音波検査は、放射線の被曝もなく、お若い方で、乳がんの早期発見につながることも、時としてありますが、残念ながら、超音波検査機器の精度が良くなりすぎたこともあり、たくさんの良性疾患が見つかってしまいます。腫瘍として見つかるものの代表的なものに『線維腺腫』が、あります。この良性腫瘍は、20~30代に発生し、閉経すると、しぼんで消えてしまう、良性腫瘍です。線維腺腫と診断された場合に切除する必要は、ありません。紛らわしい疾患として、葉状腫瘍といって、良性なのですが、成長し続けてしまう良性腫瘍があります。この葉状腫瘍は、困ったことに、良性、悪性の境界が曖昧で、時に急激に大きく成長してしまうことがあります。さらに困ったことに、腫瘍の一部を採取して顕微鏡で検査(病理診断)をしても、線維腺腫と、葉状腫瘍の区別をすることは、とても難しい事なのです。病理診断で、区別が難しいと初めて聞いたときには、耳を疑ってしまいました。線維腺腫と診断されても、まれに紛らわしいものがあるため経過観察し、一般的には、おおきさが3cmを超えた場合は、丸ごと腫瘍を切除して、病理診断を行います。40歳以上で、初めて、線維腺腫と診断された場合も要注意です。

通常、この線維腺腫は、正常乳腺と硬さが変わらないため、超音波検査をうけるまで、自覚されないことがほとんどです。妊娠期に増大したり、閉経前に、硬くなって自覚されることがあります。

2014年8月24日

乳がんの好発年齢は、40歳から60歳と言われていますが、なぜですか?

乳がんの好発年齢は、40~60歳です。なぜ、他の胃がんや大腸がんに比べて発症年齢が若いのでしょうか?それは、乳がんの発がんならびに発育に女性ホルモンが深く関係しているからです。一般的な、閉経年齢の50歳を前に急激に罹患率が増加するのは、そのためです。若い年代に発症することが、やや強調されすぎていますが、70歳、80歳でも乳がんは、発症しますので、しこりに気がついたら乳腺外来を受診しましょう。70歳以降は、緩やかに罹患率が減少しますが、お元気な高齢者の多い東京都北区では、80歳以上での乳がんも、まれでは、ありません。