乳腺エコーとは、どのような検査ですか?

現在普及している超音波画像診断法は、和賀井敏夫順天堂大学名誉教授によって開発されました。NHKのプロジェクトX『創意は無限なり・超音波診断機エコー』で、ごらんになった方もいらっしゃるかと思いますが、潜水艦を見つけるソナー技術の原理を応用し、組織に当てた反射音波を画像として描出し、体内の異常を発見する技術です。

マンモグラフィと超音波検査とどちらが精密な検査なのかと、よく質問されますが、どちらの検査も、得意な病変、不得意な病変があります。しこりの良・悪性を判断する事は、超音波検査の得意とするところです。超音波検査の最大のメリットは、放射線による被曝のないことです。世界に類のないほど、日本中には、この装置が普及しています。デメリットは、検査担当者の技量、検査機器の質により精度のばらつきが生じてしまう点です。現在のところ、対策型乳がん検診(住民検診)で、乳腺超音波検診は、推奨されていません。その一つの理由は、たくさんの良性病変(嚢胞、繊維腺腫などの良性腫瘍)を見つけることになるが、良性と断定することが難しいため、不必要な検査を受けていただくことになってしまうためです。マンモグラフィ検診で、がんの証拠をとらえるのが時として難しい40歳代での有効性が現在検証されている段階です。

2006年 和賀井敏夫先生は、日本の学術賞として最も権威ある、日本学士院賞を受賞されました。

超音波診断機エコー

NHK『プロジェクトX』制作班 編集

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2014年6月24日